富山 2021年度奨学生_太田隼乃介さん【金沢工業大学】

2022.03.24

高校時代にお世話になった恩師と約1年ぶりの再会卒業制作を振り返る

2022年2月、太田隼乃介さんの母校である「富山県立高岡工芸高等学校」を訪れました。
高校で建築科に在籍していた太田さんは、「魚津市立星の杜小学校」のオール木造3階建ての校舎に感銘を受け、卒業制作で同級生と模型を作りました。
高校卒業後も建築の道を歩く後押しをしてくれた恩師との久しぶりの再会。
卒業制作を振り返るとともに、大学(建築学部建築学科)に入って厚みを増した建築観、学生生活やプライベート、将来の話などについてインタビューしました。

卒業制作を振り返って、大変だったけどやっぱり楽しかった

制作し出した時は完成形がみえなくて、ただただ辛いという感じでした。
終盤にかけて、自分の苦労がカタチになっていったところに達成感がありました。
やっぱり楽しいんですよ。
その過程で、実物を建てるのもこんな風に楽しいんだろうなと感じて、もっと建築に携わりたいと思いました。

卒業制作(魚津市立星の杜小学校の模型)

建築に興味をもったのは父の影響が大きい

思い立ったらすぐに出かけて、どこにでも連れて行ってくれた父の影響は大きいです。
自然から都会まで、とにかくいろいろと。
僕は構造物が好きで、子どもの頃はレゴブロック、工作と、モノを作ることが好きでした。
高岡工芸高校を選んだのは、家族で家のショールームによく行っていた時期があって、「建築士になって、親孝行できたらいいなぁ」と漠然と思ったのが理由です。

星の杜小学校の見学がなかったら、進路が変わっていたかもしれない

高校時代の星の杜小学校の見学はすごく衝撃的でした。
学校の校舎は冷たいという印象をもっていましたが、僕もこういうところで勉強したかったなぁと。
構造的にはトラス(※)から室内が見えたり、木材が大胆に露出していたり、メディアセンターという面白い空間があったり、いろいろ話したいことがありますね。
建設過程で小学生にワークショップに参加してもらって、施工やデザインに携わってもらったっていう取り組みもいいなって思いました。
利用する側も何かに貢献できるっていうのがすごいなって。
もちろん、魚津市産の木材を多く使っているってことも。
軸がぶれないっていうのがすごく良いと思いましたね。
(※三角形を基本にして組んだ構造)

大学に入ってデザインも学び、視界が広がった

建築学科は、3年から建築デザインコースと建築エンジニアリングコースに分かれます。
僕は建築物の構造を見るのが好きで、構造計算が得意ということもあって、エンジニアリングコースでいくって感じだったんですけど、今はデザインの方にも関心をもっています。
デザインを学んだことで、今までは本当の意味での建築を知らなかったんじゃないかと考え直しているところです。

将来は、第2の星の杜小学校をつくってみたい

コストのこともあってなかなか大変だとは思いますが、星の杜小学校のような大型の木造建築物をつくってみたいです。
子どもたちに木の温かみがある環境で勉強して欲しいなって。
木材のあるなしで空間の雰囲気も違ってきますし、どれだけのメリットがあるのか証明しなきゃいけません。
可視化できたらすごいことだと思っています。

太田 隼乃介Junnosuke Ota

・2003年生まれ
・好きな食べ物は、ラーメン
・よく聴く音楽は、T.M.Revolution、ORANGE RANGEなど。
子どもの頃、車中で聴いていたので落ち着く。

一覧ページへ