服飾・ファッションビジネス 2024年度奨学生_中島さん【文化服装学院】
文化服装学院でのインタビュー
文化服装学院 服装科で学ぶ中島さん。
「動きに寄り添うユニフォームをつくりたい」という思いを原点に、パターンを軸とした服づくりに向き合ってきました。
野球の木製バットをつくる父と、パタンナーとして働く母。
ものづくりが自然と身近にある環境で育ち、布がかたちになっていく様子を見て過ごした幼少期の記憶が、今も心に残っています。
現在はスポーツウエアだけでなく、衣装の世界にも関心を広げながら、自分の表現の幅を探っています。
これまでの学びと、これから描いていきたい未来について話を聞きました。
服づくりは、いつも日常のそばにあった。

家では、ものづくりが日常の風景でした。
母が一枚の布から服を仕立てていく姿を見るのが好きで、完成した服を着て出かけた日のことは、今でもよく覚えています。
もうひとつ、大きな存在だったのがスポーツ観戦です。
家族でバレーボールやバスケットボールの試合を観に行くことが多く、自然と「動く人」を見る時間が増えていきました。
試合を見ているうちに、ふと気になる瞬間がありました。
プレー中にユニフォームの裾や衿を直す選手の姿です。
「もっと動きに集中できる服だったらいいのに」
そんな小さな違和感が、やがて“スポーツ選手のためのユニフォームをつくりたい”という思いにつながっていきました。
服づくりの難しさと、向き合う日々の日々
文化服装学院を選んだ理由は、学べる環境の幅広さでした。
設備が整い、多様な価値観を持つ人と出会えること。姉が通っていたことも後押しになりました。
実際に学び始めて感じたのは、服づくりの奥深さです。
とくに仮縫いでは、頭の中のイメージと、実際に着てもらったときの印象がまったく違うことも少なくありません。
「きつい」「動きづらい」
そんな声を受け取るたびに、服は“見るもの”ではなく、“人の動きと一体になるもの”なのだと実感しました。
現在はメンズウエアに挑戦していますが、骨格や体型の違い、着こなしの違いから生じるギャップに悩むことも増えました。パターンを何度も描き直しては先生に確認してもらい、修正を重ねることもあります。布や紙はタダではないですし、量もかさばるため何度も持ち帰るのは大変。その点も工夫しながら進めています。
試行錯誤を重ねてかたちになった瞬間の達成感が、次への原動力になっています。


広がっていく、これからの選択肢
入学当初は、スポーツウエアのパタンナーになることだけを思い描いていました。けれど、授業や作品制作を通して多様な表現に触れるうちに、衣装の世界にも興味が広がっていきました。
テレビや音楽番組の衣装にも、いつか関わってみたい。
そんな思いから、来年度は服飾専攻科技術専攻へ進学し、パターンメーキングや縫製の技術をさらに深める予定です。
好きな韓国のスタイリストの影響で、将来を見据えて韓国語の勉強も始めました。夢はひとつに定めるものではなく、学ぶなかで少しずつ輪郭がはっきりしていくもの。今はそう感じています。


思い描いた一着を、自分の手で形にするために

地方から上京し、人の多さや通学の大変さに戸惑うこともありました。
それでも、多様な人と出会い、刺激を受けられる環境は大きな学びになっています。文化祭や授業で仲間と協力して作品をつくる経験は、技術だけでなく、相手と向き合う姿勢も教えてくれました。
まだ、先生や友人に頼ることも多い日々。
それでも、卒業する頃には、自分の頭の中にあるイメージを、自分の力で形にできるようになりたいと思っています。
着る人がストレスなく動けて、少し自信を持てる服。
そんな一着を、パターンの力で支えていくこと。その思いを胸に、これからも学び続けていきます。
中島Nakashima
・富山県出身
・スポーツ観戦が好き(特にバレーボール)
・将来に向けて韓国語の勉強も始めている
・休日は古着屋や原宿・下北沢を巡ることが多い
・好きな食べ物:カレー、アイス