交流会 2025年度奨学生交流会

2025.10.01

2025年8月、財団設立後4度目の奨学生交流会を開催いたしました。

全国から13名の奨学生に財団のある富山へお集まりいただきました。
例年の参加者より「もっと富山のことが知りたい」「ものづくりに触れたい」というご意見を頂き、今年度は株式会社ゴールドウインでのサコッシュ製作に加え、高岡市で銅板着色体験と国宝高岡山瑞龍寺を見学いただきました。

スケジュール

09:00 株式会社ゴールドウイン 集合
09:30 工場見学・縫製研修(サコッシュ制作)
12:20 ホテルニューオータニ高岡で昼食
13:30 モメンタムファクトリーOrii 銅板着色体験
15:30 瑞龍寺見学
17:00 解散

 

開会式

株式会社ゴールドウイン にお集り頂き、交流会がスタートしました。

富山は朝から広く晴れ、気温の高い日となりました。
交流会は富山西田育英事業の奨学生の皆さまには4年間の間に必ず1回以上ご参加をいただいており、スポーツ・アパレル西田育英事業の皆さまは任意としております。今回はスポーツ・アパレル西田育英事業からも2名のご参加があり、計13名での交流会となりました。

理事長挨拶

当日は理事長よりご挨拶をいただき、学生生活で大切にしてほしい視点についてお話しがありました。政治や環境といった社会的な課題を例に挙げながら、「自分ごととして考え行動する姿勢が将来の選択肢を広げる」といった趣旨のメッセージが伝えられ、参加者に対して学びの意義と責任を改めて問いかける内容でした。

自己紹介

ほとんどの参加者が初対面でしたが、名前や趣味、日々の過ごし方、好きな食べ物を順に紹介するだけで場の緊張はすぐにほぐれました。ある方が「寿司が好き!」と話したのをきっかけに好きな寿司ネタを言い合う場面も。サーモンが特に人気でした。互いに笑顔で声を掛け合い、初対面とは思えないほどすぐに打ち解けて自然にサポートし合える雰囲気が生まれました。最後には「もっとコミュニケーションの時間がほしかった」との感想が出るほど盛り上がり、この短いやり取りがその後の作業をより楽しく、有意義なものにしてくれました。

 

ゴールドウイン工場見学とサコッシュ製作

小矢部市にあるスポーツアパレルメーカー「株式会社ゴールドウイン」にて工場見学とサコッシュ製作を行いました。

ゴールドウインはアパレルメーカーですが、製造だけでなく研究開発から企画、販売の行程も自社で行います。
縫製やプリント現場、研究開発施設の見学を通し、ゴールドウインのものづくりについて学びました。日本代表へ提供したユニフォームも展示されており、見るだけではなく触ることによって素材へのこだわりも体感することができました。

事前に生地の色やマーキングのデザインを考えて、世界に一つだけのサコッシュを自分の手で作りました。
ミシンの経験はあっても、工業用ミシンは初めてという方がほとんど。スタッフの方から、ミシンの操作方法や縫い合わせ垢方の説明をいただき、真剣な表情でミシンに向かいます。
プレス機は初めての使用でしたが、スタッフの方が安全面や温度・圧力の調整、位置合わせのコツを丁寧に教えてくださったので安心して作業できました。実際にプレスしてマーキングされた瞬間は感動的で、完成したサコッシュに一体感が生まれ、特別な一品になりました。


歴史と産業のまち高岡

高岡市は富山県西部に位置する、古くから金属加工の技術で栄んだ「ものづくりのまち」です。歴史的な寺社や伝統工芸と、現代の産業・生活がほどよく調和しており、観光と産業見学の両方を楽しめるのが特徴です。


昼食

昼食はホテルニューオータニ高岡でハンバーグランチ(サラダバー付き)

全員が学生ということで話題も軽やかに弾みました。食事が進むにつれて緊張がほぐれ、隣同士で専攻や出身地、最近ハマっていることなどを語り合ううちに笑顔が増えていきました。あるテーブルでは映画や音楽の話で盛り上がり、別のテーブルではサークル活動や授業の裏話で意気投合する場面も。種類の豊富なサラダバーに夢中になり、つい食べ過ぎてしまう様子も…。

料理を楽しみながらリフレッシュした一行は、すっかり打ち解けた様子で次のプログラムへと向かいました。


モメンタムファクトリー・Orii 銅板着色体験

モメンタムファクトリー・Orii様にて金属着色体験を行いました。
銅の板に米ぬかを塗り、バーナーで焼いて表面を熱処理した後、薬品で色を変化させるという、伝統技法と理科の実験のような工程が組み合わさった体験です。ぬかの厚さや薬品の塗り重ね回数が柄に影響するので、どうしようかとみんな試行錯誤しながらも、初めての体験を楽しみました。バーナーの軽い炎と、焼けた米ぬかの香ばしい匂いが漂う中、スタッフの方の丁寧な指導で安全に作業を進められたのも安心ポイントです。思い切って塗りを厚くしたり、薄く重ねたりといった微妙な違いが、薬品をかけたときに鮮やかな表情となって現れるのを見るのはワクワクする体験でした。

銅板は、鮮やかなブルーのコースターに仕上がりました。「想像以上に美しい」「家で使うのが楽しみ」といった感想が寄せられ、ものづくりの喜びを実感できる時間になりました。


瑞龍寺見学

午後の終盤、15:30に瑞龍寺を訪れたときは、真夏の暑さと一日の疲れが表情に出る学生も多く見られました。境内に入ると木陰の涼しさが心地よく、それでも歩き回った疲れは隠せない様子でしたが、住職さんによるお話が始まると場の雰囲気は一変しました。

住職さんは瑞龍寺や高岡の歴史を、単なる年表説明にとどめず、政治や環境問題など現代の自治課題と巧みに結びつけて語ってくださいました。地元のまちづくりや資源の活用、歴史が現在の暮らしにどう影響しているかといった視点が散りばめられたお話は非常に示唆に富み、学生たちも思わず前のめりに。難しいテーマを分かりやすく伝える語り口に、暑さや疲れで重かったまぶたがいきなり覚めるほどの引き込み力がありました。

説明の合間には建築の見どころや仏堂の意匠についての解説もあり、実際に目の前で見る建物の細部に新たな興味が湧いた様子です。暑さで少し疲れていた一行が、瑞龍寺での対話を通じて新たな視点と元気をもらった、そんな締めくくりとなりました。

 

今回の交流会でのたくさんの体験を通し、富山の魅力を再発見いただけたなら幸いです。
交流会は毎年1回富山県での開催を予定しております。何度でもご参加いただけますので、まだ参加していない方はもちろん、今年参加した方もぜひ来年ご参加ください。
奨学生の皆様、来年もお楽しみに!

2025年度奨学生交流会

2025/8/29
株式会社ゴールドウイン
ホテルニューオータニ高岡
モメンタムファクトリーOrii
瑞龍寺

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